真言宗はApple、天台宗はGoogle
⽇本の仏教は南都六宗(奈良時代:仏教の適⽤範囲と理論)からスタートして、総合 仏教(平安時代:天台宗と真⾔宗:仏教の総合化)、鎌倉仏教(鎌倉時代:修⾏⽅法等の選択)といった歴史を辿ります。
それ以前の南都六宗は真⾔宗に、⽅法論の是⾮はあるにせよ、統合されます。
それ以降の鎌倉仏教はすべて、もう⼀つの総合仏教である天台宗から出ます。
真⾔宗はApple、⼀⼈の天才が独⾃の世界観で技術・デザインを再編成します。
天台宗はGoogle、プラットフォームを構築して、⼀定の基準で教えを寄せ集めます。
⽇本の2つの総合仏教は、⼤⽇経と法華経を軸に集⼤成されました。 これが⽇本の仏教の⽅向性を決めました。
また2つの総合仏教は、組織宗教への転換点ともなりました。この点は残念ながら、鎌倉仏教にも受け継がれてしまいました。
その後、⽇本の仏教は教学的には、⻑い停滞期を迎えます。
先進国で組織宗教の退潮が際⽴つ中、今はこの原点を問い直す時期でもあります。
【仏教は科学か?】
仏教は科学か? それは科学という⾔葉の定義によるのでしょう。 欧⽶では「久遠の仏陀」とか「弘法⼤師は⽣きている」といった超常的な教えを切り捨て、もしくは⽐喩表現として解釈し、仏教を科学に近いものと捉えます。
お釈迦様本来の教えに近いと⾔われる上座部仏教も、科学との対話に積極的です。
科学を定義する⽅法の⼀つとして、反証可能性の有無があります。反証が可能であれば科学、反証が可能でなければ宗教、となります。
「イエス・キリストの復活を信じるものは救われる」という命題は、受け⼊れるか拒絶するかの⼆者択⼀、⼀般的には反証が可能ではありません。
仏教ではお釈迦様が反証を歓迎し、教えを引き継げ、とは⾔われませんでした。 超常的な教えを⽐喩表現と捉えると、仏教は概ね、反証が可能な教えです。
そして仏教の歴史の中では、常に反証が積み重ねられて来ました。
【習合する仏教】
反証が可能な仏教は、反証の⼀形態として、常に習合が起こります。この習合を現代に活⽤するのが、アーバンブッディズムです。
⽇本では神仏習合が進展し、神道の教えが仏教に取り込まれます。
禅宗発祥のお寺・嵩⼭少林寺(中国)では「仏教と道教は同じ」とされ、中国では仏教と道教が⽇本以上に深く習合します。北京の和平寺(禅宗)でも、道教の祈祷が⼀般化しており、管⻑の徳善和尚はバツが悪そうでしたが、これも仏教の反証可能性の⼀つの現われです。
ただ仏教も、超常的な教義にまで⾏き着くと、反証可能性が消滅します。
その地点で仏教の発展は⽌まります。
超常的な教えを求めるのも⼈間、そうした願いに応えるのも仏教の守備範囲です。
【「7つの習慣」との習合】
近年、欧⽶で仏教がキリスト教とも習合する状況を踏まえて、私はここ数年、密かに 「7つの習慣」と仏教の習合にチャレンジしておりました。
7つの習慣は、キリスト教の⼀派であるモルモン教(末⽇聖徒イエス・キリスト教 会)の聖書研究が基盤ですが、密教ステージでなら習合が可能です。
7つの習慣はビジネス書の世界的なベストセラー、私は毎⽉2回、新⽉と満⽉の⽇ に、7つの習慣の再学習と、7つの習慣の要素を加えた反省を⾏います。
仏教では⽉2回、布薩と呼ばれる反省会が奨励されております。
⾦剛界曼荼羅の第⼀ステップは「降三世三摩耶会」、ここは「⾃分さえ勝てば良い」 という⼩乗パラダイムの曼荼羅です。
⼤半の学問、You Tubeなどで発信される情報は、この曼荼羅での表現です。
7つの習慣では「個性主義」と呼ばれる部分、胎蔵曼荼羅では外⾦剛部院(最外院)の働きを⽰す部分です。
修⾏には順序があり、ここを乗り越えないと、この上のパラダイムが安定しません。
降三世三摩耶会のビジネスは騙し合い、やり切るか挫折して諦めるか、いずれにせよ 現世に⽣きる以上、向き合う以外にここから逃げる道はありません。
次は「降三世会」、ここは⼤乗的なWin-Winの世界で、7つの習慣の世界です。
⼈との信頼関係を重視するパラダイムですが、本来は儒教・道教もしくは顕教(密教 以外の仏教)が対応するステージです。
胎蔵曼荼羅では中台⼋葉院と外⾦剛部院(最外院)以外の、院をすべて表現します。ただ真⾔密教に7つの習慣を習合する場合、困難な部分が2点あります。
弘法⼤師の著書などを読み解く場合、このステージでの膨⼤な仏教の素養が前提ですが、7つの習慣を何回読み込んでも、この仏教的な素養は⾝に付きません。理趣会、⼀印会なども、7つの習慣に合わせ、⽤語を書き換える必要が出てきます。
それでも仏教を学ぶよりは、現代⼈にはわかりやすいかもしれません。 もう⼀つの困難は、7つの習慣は著作権、商標権が厳しいので、仏教的なカスタマイ ズが難しく、そのまま書籍を読んでいただくしかない点です。
降三世会の世界観をお伝えするより適切な教材はないか、私なりに今も探しておりますが、現時点では7つの習慣が⼀番適切だと思います。
【Time Waverとの習合】
次の「理趣会」は真⾔密教特有のパラダイム、「⾳のお守り(3分間瞑想)」でアクセスを試みるのもこの理趣会です。
他の九会曼荼羅は⼤⽇如来が中⼼ですが、この曼荼羅は唯⼀、⾦剛薩埵が中⼼です。
⼤⽇如来は先⽣、⾦剛薩埵は弟⼦、この理趣会は、宇宙に遍満する⼤⽇如来の教えを ⾦剛薩埵である「あなた」が、経典などを介さずに直接受けるステージです。
⾦剛薩埵の周囲には4組のカップルの仏様が取り巻きますが、これは⼤⽇如来の教えが、⼀般の⾔葉ではなく波動の共鳴(真⾔)により伝えられることを意味します。
宇宙・万物は常に⼤⽇如来の教えを発信しており(加)、密教修⾏者である⾦剛薩埵 (私達)はこれを受け取る(持)存在です。瞑想で啓⽰が降りるのも、「直感を信じなさい」と⾔われるのもこのステージです。
⾃分の使命に献⾝する喜びに溢れ、現世的なWinが気にならなくなる世界です。霊能者やスピリチュアルな⼈たちもこの世界にアクセスしますが、降三世三摩耶会、 降三世会に引きづられ、このステージでのメッセージが安定しません。
理趣会のアクセスしながらも、メッセージを降三世三摩耶会のレベルで解釈してしまい、恋愛や⾦儲けのアドバイスをしてしまうケースが多いように⾒えます。神仏との対話ができる霊能者にも、仏教は有益なのです。
私の7つの習慣の師は、斎東亮完先⽣です。 亮完先⽣は数々の有名⼈のプロデュースに成功されておられます。私の僭越な解釈ですが、降三世三摩耶会で苦労した逸材を、7つの習慣的に降三世会 を固め、亮完塾で理趣会にアクセスするというプログラムです。
「クライアントの使命を活かす」のがモットーですが、これは理趣会の理念です。
究極の成功領域を「他⼒」と表現されておりますが、仏教とは異なる⾔葉の使い⽅で、密教的には⼤⽇如来の法⾝説法に⾦剛薩埵が⾝を委ねる状態です。
次の⼀印会は、他⼒と感じていたものが実は⾃分⾃⾝である、⼤⽇如来は⾦剛薩埵で もあり、どちらも⾃分⾃⾝であると認知する、まさしく悟りの世界です。ただ密教⾏者(⾦剛薩埵)は⾃らがここに⼊ることを求めません。
原典である⾦剛頂経で⼀印会は、⾦剛薩埵ただ⼀尊で表現されます ⾃分の究極の使命と⼀体化した、⾦剛薩埵でもある胎蔵⼤⽇如来が、⼀印会の⾦剛界 ⼤⽇如来だと私は解釈しております。
【Time Waverとの習合】
7つの習慣(降三世会曼荼羅)と3分間瞑想(理趣会)の組み合わせは、運⽤が安定す れば、成功者を輩出する「亮完塾システム」と同様の成果が期待されます。 霊能者も真⾔密教の阿闍梨も、亮完先⽣のプロデュースでさらに成功されています。
私独⾃の付加価値として追加したいと願っているのがTime Waverとの習合です。「理趣会の波動共鳴(法⾝説法)を表現したデバイス」と、私は直感的に感じておりますが、仏教界でもTime Waver界隈でも、認められることはない考え⽅でしょう。
⼤⽇如来は量⼦論(⾦剛界曼荼羅)、⾦剛薩埵は脳科学(胎蔵曼荼羅)と習合(説明)すると、誤解も産むでしょうが、真⾔密教がグッと⾝近に感じられます。
私は⽇本のTime Waverの第⼀⼈者である寺岡⾥紗先⽣の⾨を叩き、Time Waverの理論 と実践を約1年学びました。
Time Waverは九会曼荼羅の理趣会、⼀印会に相当し、密教では形⽽上学的な概念とも取られかねない法⾝説法が、リアルに体験できます。
Time Waverは元来、医療⽤の波動調整デバイスとして開発されましたが、原理は密教の加持と同じ、そのためビジネスコンサルなどにも活⽤されます。
昨年本国ドイツで医師法違反に問われる事件があったようで、医療⾏為と取られる データベース項⽬の全⾯削除が噂されます。その分、理趣会、⼀印会の項⽬が⼤きく拡充される予定で、私は⼤歓迎です。
九会曼荼羅とは異なる階層観(情報領域、エネルギー領域、物質領域)で理論が展開 されますが、真⾔密教の四種曼荼羅に近い発想では、と私は想定しております。この理趣会には再現性はなく、同様にTime Waverにも再現性はありません。
◎本レポートは、リアル曼荼羅プロジェクト・メルマガ35【2023年3月号】 を大原浩の責任で編集したものです。
★沼⽥榮昭(リアル曼荼羅プロジェクト主宰)、 人間経済科学研究所フェロー
楽天・サイバーエージェントなど有⼒企業の上場を ⼿掛け、⼤和証券株式会社公開引受部勤務時代から 通算して、70社強の株式公開を実現、「伝説の株式 公開請負⼈(⽇経新聞記事より)」と⾔われる。上場会社⽣涯100社構想に向けて、スタートアップ企業の発掘・育成・投資に現在も邁進。
2000年〜2021 年まで21年間、サイバーエージェントの社外役員を務める。⽇本証券アナリスト協会検定会員(証券アナリスト)。
⾼野⼭真⾔宗⼤⽇寺(代々⽊⼋幡)で得度、紫雲⼭宝瑞院(仏教寺院)副住職(就任予定)、復旦⼤学(中国・上海)⽇本研究センター客員研究員、⼤阪⾳楽⼤学客員教授、中華⼈⺠共和国主治中医師(内科)。真⾔密教、統合占星術・星平会海、量⼦⼒学波動デバイスTime Waver等を取り⼊れた「株式公開レベル」の経営⽀援を実施。
★ファイブアイズ・ネットワークス株式会社
〒150-0044 東京都渋⾕区円⼭町5-4
フィールA渋⾕1402号 isao.numata@5is.co.jp
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