生成AIと地域おこし=「鹿行ドリーム」
【社会変革を形づくる決定的要因】
米国のヴァンス副大統領は「AIアクション・サミット」で、「人工知能 (AI) は・・・世界の権力構造、経済的優位性、社会変革を形づくる決定的な要因である」と演説しておりますが、この「決定的な要因」の一部分が「生成AI」です。
生成AIの使い方は超簡単で、日本語で動く生成AIも多種類に及び、体系的な学習は不要、初心者でも10分もあれば、小さな業務改善なら一つ完了します。
AIの「開発」と混同すると、難解だと誤解して腰が引けたり、何十万円もかけて生成AI講座を受講するといった残念な事態が発生します。
どの生成AIを何に使うのか、その結果、業務全体のプロセスがどう変わるか、それを発想するには頭の柔軟性が重要で、この手段の一つがマインドフルネスなのです。
若者たちは生成AIを使い倒しますが、SNSをバズらせる程度の話にしか興味を示さず、これまでの人生経験に囚われて、生成AIを狭い分野に押し込めがちです。
地方再生のキーでもある土地に縛られた製造業(特に工場)や個性的店舗での生成AIの活用は、ブルーオーシャンでもあるのに、若者の関心を惹きません。
生成AIを外注すると、時間を食うのは業務のヒアリングで、簡単なGPTs(ChatGPTを活用した独自プログラム)を作成するにも最低50万円は請求されます。
1から開発すれば数百万円はかかるので、それでも節約にはなるのですが、業務が分かれば初心者でも、20分もあれば作成可能なプログラムです。
どの生成AIをどんな順番で何に使うのかが構想できれば、生成AIの使い方自体は簡単、誰にでも真似ができます。
必要なのは暗黙知の部分も含め業務を熟知し、生成AIに合わせた斬新な業務フローを構想する能力と社内調整力で、そう考えると実は、社長が一番の適任者なのです。
【生成AIの正しい使い方】
多くの会社は業務が見えていない若手に生成AIを担当させてしまいます。幹部社員は頭が固まっており、生成AIの必要性は感じても、手が出せません。
生成AIは、誰にでも直感的に使いこなせるように創られており、難解なものは誰も使わないので、世の中に普及しません。
使い倒した経験値が重要なので、そこは生成AIお宅の学生(たとえば息子さん)を取り込む手もあるでしょう。
ご自身で学ぶ場合でも、情報自体は数千円の書籍で十分です。ただ進化のスピードに対応するには、ユーチューブ等の無料もしくは廉価で優良・迅速な情報源を確保するのも良策でしょう。
生成AIは人類史上最も簡単な業務改善ツールですが、進化のスピードが速く、毎日のように新しい技術がデビューします。
この状況への対応が、まずは経営組織の面から求められます。次に注意が必要なのは、生成AIで廉価に開発できるシステムに、数千万円、数億円の開発費用をかけてしまう失敗です。
ベンチャー投資でも、システム開発を伴う事業計画には、生成AIの開発動向を踏まえた慎重な投資判断が求められる時代です。
ここからは宝瑞院がある茨城県神栖市を含む、茨城県の鹿行地域のお話です。
【鹿行ドリーム】
鹿行地域(鉾田市、行方市、潮来市、鹿嶋市、神栖市の5市)は補完性が高いので、私たちは自治体の枠に囚われず、地域全体のグランドデザインを考えております。
宝瑞院は陸の孤島で、東京からは車かバスを使わないと辿り着けません。この広大な場所に、旧住金(現日本製鉄)を中心とした鹿島臨海コンビナートが展開し、世帯収入1千万円を越える高額所得世帯が集積しております。
神栖市の財政は豊かですが、転勤族のご子息の教育、奥様の日常生活などの問題も山積し、都会での暮らしに慣れている転勤族には人気のない場所のようです。
土地が広いため、経済力が高くても不動産価格は上がりません。大きな転勤需要が発生しても、農地が宅地に転換され開発が進み、結果としては住宅過剰が慢性化しております。
こんな経済環境で「鹿行ドリーム」が進行します。
【鹿行さんぽ】
表層では幹線道路を中心とした郊外型ロードサイドの街、大型チェーン店が軒を並べ、購買力が大きいため、食事の時間にはどこも満席になります。
ただ一歩路地に踏み入ると、こだわり尽くしたお店が数多く出店しております。資金力が乏しいためか、東京と比較すると何か物足りない印象を受けますが、価格が東京の半額から3分の1、インフレに強く贅沢な時間が味わえます。
固定費が安いので数人でも常連顧客が掴めれば、小さなお店なら十分維持できますそして食い倒れの街で鍛え抜かれた優良顧客が、この地域には数多く存在します。
広告宣伝は個店のSNS頼み、商圏が広いため時間は必要ですが、口コミでのブレイクが始まると、県外からの顧客の流入がはじまることもあります。そうなると常連顧客のために広告宣伝をストップする名店が多く出てきます。
東京などに逆進出するケースもありますが、コスト構造が異なるためか、この戦略を取るケースは少数に留まります。
優良店舗が多い鹿行地域は激戦区でもありますが、地域の優良顧客への認知も今一つで、私はまだまだ膨大な成長余力を残していると考えております。地元の顧客も開拓途上、東京や海外にはさらに膨大な市場が予想されます。
神栖市近辺で特徴的なのは、宿泊設備を併設する戦略です。料理とお酒とのマリアージュがウリの場合、車の運転ができなくなるので、土地の広さ、公共交通機関が乏しさがネックとなります。
こうした鹿行ドリームに特化した媒体が、宝瑞院のWEBサイト「鹿行さんぽ」です。
インスタグラムでも展開しております。
最初はテレコールで取材先を発掘し、「宗教法人は怪しい」「ぐるなびの真似をして何になるんだ」というご批判も頂きました。
ただ地元でも意識をしていない「鹿行ドリームを応援する専門メディア」は日に日に反響を呼び、ご紹介が多い日では1日40件を超えるまでに成長を続けております。お店のSNS戦略を、私たちのチームに依頼されるケースも出て来ました。
鹿嶋市に1年半お住まいの方からは「つまらないので外出を控えておりましたが、実は面白お店がたくさんあるんですね」と驚きと感謝の感想が寄せられました。
飲食店は横のつながりも強い業態ですが、新規参入も多く「こんなお店があったなんて初めて知りました、刺激になります」といった感想も複数頂きました。出店したての方からは、「鹿行さんぽで初めてのお客様が獲得できました」という、本当にうれしい声もありました。
【鹿行ドリームの応援団】
宝瑞院は鹿行ドリームの応援団です。
鹿行ドリームは、陰の応援団である鹿島臨海コンビナートの転勤族からも認知を受けているとは言えない状態で、ここに有機的な循環を構築するだけでも、鹿行地域の経済環境は一変する可能性を秘めております。
「ぐるなび」は飲食店の媒体ですが、「鹿行さんぽ」は志の媒体です。
そしてマインドフルネスも生成AIも、宝瑞院が担う以上は、この鹿行ドリームに魂を吹き込むツールとなります。
仏教寺院は店舗ではありませんが、世界の最先端を目指して鹿行地域に移転したという点では、宝瑞院も鹿行ドリームを担う一員でもあります。志の店舗が集結する鹿行地域は、私たちが仏教を実践するホームグランドでもあるのです。
◎本レポートは、<宝瑞院副住職 沼田 榮昭のマニアックなメルマガ最終回【2025年3⽉】>を大原浩の責任で編集したものです。(以後、不定期刊行の予定)
◎沼田 榮昭(宝瑞院副住職)
楽天・サイバーエージェントなど有力企業の上場を手掛け、「伝説の株式公開請負人(日経新聞記事より)」と言われる。2000年~2021年まで21年間、サイバーエージェントの社外役員を務める。リカバリーインターナショナル株式会社(東証グロース:9214)社外取締役
宝瑞院(茨城県神栖市・浄土宗系単立寺院)副住職。中華人民共和国主治中医師(内科)、大阪音楽大学客員教授、情報経営イノベーション専門職大学客員教授、復旦大学(中国・上海)日本研究センター客員研究員。CIF認定TimeWaverセラピスト®️、RYT200(Registry ID: 417550)、ディープマインドフルネス®︎ヨガ認定講師。
ファイブアイズ・ネットワークス株式会社
〒150-0044
東京都渋谷区円山町5-4 フィールA渋谷1402号
isao.numata@5is.co.jp
研究調査等紹介
マインドフルネスと仏教
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