米国第2位の勢力になりつつある!?仏教

 

 

【トランプ大統領就任】

You have to think anyway, so why not think big? Donald Trump

 

どうせ考えるなら、でっかく考えてみたらどうなんだ!

        ドナルド・トランプ(アメリカ合衆国次期大統領)

1月20日(月)は「世界の皇帝」アメリカ合衆国大統領の就任式です。

習近平国家主席をはじめ世界の首脳を招待するのも異例なら、Facebookのザッカーバーグ氏、Amazonのジェフ・ペゾス氏といった、従来は反トランプ、民主党側と見られた財界人が、この就任式に百万ドルの寄付を表明したことも異例です。

ソフトバンクの孫正義氏も昨年12月にトランプ氏と会見し、政権期間中に15兆円の米国投資を表明、今後のトランプ氏との関係性に期待を膨らませます。

「ビットコインの戦略備蓄化」の表明も、従来の経済常識では考えられませんが、これにロシアのプーチン大統領が呼応し、ブラジル、ポーランドが同調します。

この件は「史上最大の詐欺」とのマスコミ論評も聞かれる中、米国の覇権を支えるドル基軸通貨体制に、トランプ氏自身が異議を唱えているとの見方も囁かれます。

株式市場はトランプ・ラリー、日本でも米国の株式・債権が売れているようです。

日本の企業収益力は高まり、名目賃金が上昇しますが、何故か可処分所得が激減、経済統計を見る限り、庶民の暮らしは急速に苦しさを増しております。

米国などの先進各国で見られた現象が、日本でも再現されております。

財務省出身の国民民主党の玉木党首がこの問題に切り込み、民意も与党の増税政策に鉄槌を下しましたが、玉木氏は「日本のトランプ」になれるのでしょうか?

「裏金議員」が選挙の争点に見えましたが、インフレ・増税による生活困窮で与党が敗北するケースが先進諸国で広がっており、日本も同じ現象に見舞われました。

1991年末に社会主義が崩壊し、今年はグローバル資本主義の頂点である米国でトランプ革命が進展、旧来の体制の持続可能性に大きく黄信号が灯りました。

国際・国内ともに制度疲労は明白ですが、かといって新しいシステムはほとんどイメージができていません。

それ故にトランプ氏の政策はブレ続けますし、世界各国が新しい国際秩序の均衡点を求めて、仁義なき椅子取りゲームを既に開始しました。

地域が閉じていく中で、日本も、日本の各地域も、自立・自己完結型のシェアリズム経済に回帰していく傾向が、本年は芽生える年になると私は予測しております。

【経済成長・貧富の差と宗教】

経済成長と貧富の差が縮小することは、宗教の衰退要因です。

近年、特に先進国では、宗教の信者は減少する傾向が鮮明でした。

経済成長が行き詰まるか、貧富の差が急拡大する時代は、科学的な正論は力を失い、宗教や陰謀論が復活します。

トランプ氏の支持者にはカルヴァン派(長老派)も多く、この教えは米国の自己啓発哲学へと変容し、グローバル資本主義の精神的な基盤として、これまで世界の思潮を席巻しておりました。

この自己啓発哲学を私は「科学教」と名付けておりますが、日本人の私には「神の隠蔽の編集を施したキリスト教」に見えます。

トランプ革命の宗教的側面の一つは、隠蔽されてきた神の復活です。

一方で仏教は、米国第二位の宗教人口になる日も近いと言われます。

米国仏教は「仏の隠蔽の編集」を施した仏教で、これがお釈迦様の本来の教えの記憶を呼び起こす大傑作なのです。

神仏は隠蔽され、存否・性格の議論は、個人の選択に委ねられます。

科学との相性が抜群のテーラワーダ仏教(上座部仏教)を主体に、大乗仏教やチベット仏教、それに科学や他宗教までをも個人ベースで融合し、一人一人が日常生活の中で瞑想により「自分にフィットした宗教」を追求していくという、新しいスタイルの宗教なのです。

日本の「仏教」に囚われると、トランプ革命に伴うもう一つ宗教的側面は、日本での翻訳・受容が難いのかと感じます。

【「7つの習慣」という傑作】

「神の隠蔽の編集」の最高傑作は、これまでは「7つの習慣」でした。

フランクリン・コヴィー社が版権を持つビジネス書の世界的なベストセラーですが、コヴィーは著者である「スティーブン R. コヴィー博士」、フランクリンは「神の隠蔽の編集」の発明者、「ベンジャミン・フランクリン氏」だと思われます。

予定調和説の中の絶対神は、信者には心強いものの、一度設定されると発展・成長することが難しいので、米国の独立を契機に、隠蔽を試みられたのです。

神の隠蔽の編集を施した科学教は、イスラム教徒、仏教徒、ユダヤ教徒など全ての宗教の信者にも受け入れられ、グローバル資本主義を支える最大教派となりました。

神を隠蔽することで、実践性や有益性がスケールアップしました。

この科学教が仏教と習合した経緯は調べ切れていませんが、印象的なのはAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏でした。

曹洞宗に囚われない、Appleの創業ストーリーに直結する師僧・乙川弘文の教えが、想像の域を超えない話ではありますが、科学教との習合を促進・実証しました。

スティーブ・ジョブズ氏はキリスト教的な絶対神に公然と疑問を提示して、隠蔽された神のポジションに日本の仏教、つまりはアニミズムの仏教を取り込みました。

「ジョブズの仏教を日本人、とりわけ日本のIT経営者に伝えたい」、ある著名なカメラマンを通じて、ジョブズ氏の思いを私は聞くことができました。

ジョブズ氏は「マインドフルな日本」を見つめ続けますが、日本でも特に都心では、「失なわれつつある日本」なのかもしれません。

【マインドフルネス】

「仏の隠蔽の編集作業を施した仏教」は、ジョン・カバット・ジン博士により「マインドフルネス」へと集大成されます。

Googleのマインドフルネス指導者のビル・ドウェイン氏は、「仏の隠蔽」バージョンだと物足りなくて、ご自身は仏様を受け入れ、仏教徒であると公言されております。

仏教徒の自覚がないまま仏教修行を続ける「ナイトスタンド・ブディスト」は、米国で2千万人を越えるとも言われ、宗教と信仰との関係が複雑化・多様化します。

情報化時代は個人の時代、となると宗教も個人の宗教なのですが、これは「自灯明」を高らかに掲げるお釈迦様の教えにシンクロしていきます。

宝瑞院の「アーバン・ブッディズム」は、この科学教に日本の神仏を招き入れて、日本人が自らの祈り、自らの瞑想を、個々人で探求する活動だと考えております。

宝瑞院のご本尊様は阿弥陀如来ですが、ご本尊様がどちら様でも、他宗教の神仏でも、あるいはいらっしゃらなくても、アーバン・ブッディズムでは問題ありません。

瞑想は重要ですが、「マインドフル」な状態に至る、わかりやすくて有効な手段の一つであるというだけで、手段は何であっても問題はありません。

瞑想は実際に時間を取ること、継続することが大切です。

当初の「MBSR(マインドフルネス・ストレス低減法)」では、ビジネスエリートはストレスを勲章と考え、瞑想の意義が見え難いくなりがちでした。

そこでGoogleではMBSRを推進すると同時に、ビジネスの成果に直結するイメージのあるEQをターゲットにしたマインドフルネス(SIY)を開発しました。

これにより約10分の1の社員が瞑想の習慣化に成功し、それがビジネスの面での大きな成果に繋がりました。

目的やターゲットはストレスを産み瞑想の効果を減じますが、神仏をも隠蔽したプラグマティズムの中では、細かい科学的知見にすらも囚われることはないのでしょう。

マインドフルネスは今や現代経営学に組み込まれ、米国の経営学、成功法則を今も書き換え続けております。

宝瑞院では日本の仏教とともに、最先端のマインドフルネスがご体験頂けます。

◎本レポートは、<宝瑞院副住職 沼田 榮昭のマニアックなメルマガ 13【2025年1⽉】>を大原浩の責任で編集したものです。

★沼⽥ 榮昭(宝瑞院副住職)

楽天・サイバーエージェントなど有⼒企業の上場を⼿掛け、「伝説の株式公開請負⼈(⽇経新聞記事より)」と⾔われる。2000年〜2021年まで21年間、サイバーエージェントの社外役員を務める。リカバリーインターナショナル株式会社(東証グロース:214)社外取締役。

宝瑞院(茨城県神栖市・浄⼟宗系単⽴寺院)副住職。中華⼈⺠共和国主治中医師(内科)、⼤阪⾳楽⼤学客員教授、情報経営イノベーション専⾨職⼤学客員教授、復旦⼤学(中国・上海)⽇本研究センター客員研究員。CIF認定TimeWaverセラピスト®。RYT200(Registry ID: 417550)、ディープマインドフルネス®ヨガ認定講師。

ファイブアイズ・ネットワークス株式会社

〒150-0044

東京都渋⾕区円⼭町5-4 フィールA渋⾕1402号

isao.numata@5is.co.jp

 

研究調査等紹介

挑戦と失敗

    【仏教の表と裏】   世の中は 乗合船の 仮住まい よしあし共に 名所旧跡 (⼀休禅師) この世の中は、様々な⼈達が⼀緒に乗り合っている仮住まいの船、あれ が良い、これが悪いと⾔いながら貴重なこの世の出来事を経験 .....

経営と仏教の真実

【経営者と爬虫類脳】 私は資本主義に嫌気がして仏教を選んだ訳ではなく、むしろ逆で、お金を儲けるにはありのままを見る必要があるとの思いが出家の動機でした。 私は株式公開の専門家で、上場を目指すベンチャーは常に新しいことを考 .....

コインの表と裏

【株式公開と仏教】 <われをつれて、我影帰る月夜かな 山口素堂> 山口素堂は松尾芭蕉の盟友でもあった江戸期の俳人です。 月夜にくっきりと浮かぶ「我が影」が、頼りなさげな「われ」を先導しているかのように見える面白さを詠んだ .....