ヤバい経営学
フリーク・ヴァ―ムュ―レン東洋経済新報社
ウォーレン・バフェットは偉大な投資家として有名ですが、経営者としても偉大だからこそ、一代で米国を代表する企業であるバークシャー・ハサウェイを築き上げ得ることができました。
バフェット流とは、「素晴らしい会社を見抜き」かつ「素晴らしい経営手法を伝える」方法であり、だからこそ、企業への投資でも大成功したのです。
本書は、マイケル・ポーター同様、実際の(現実に活動している)企業を徹底的に調査した、しっかりとしたデータに基づく、独自の視点からの経営論・企業論です。多くの本にみられるような建前や思い込みに支配されずに「真実」(大概の場合心地よいものではありません・・・)を徹底的に追及した上で執筆されただけに大変説得力があります。
そして、この本にちりばめられている、数々のフィールドワーク(実際の企業の研究)によって企業・経営の真実を追求すると、「バフェット」の言っていることの正しさがよくわかります。
1) リストラ(従業員の解雇)を行ってはいけない
2) 企業買収の大部分は失敗する(バフェットは例外的)
3) それぞれの企業にはそれぞれの成功の方法があり、単一の正解は無い
4) 助っ人(コンサルタント)の助言にあまり価値は無い(あくまで一般論)
5) 企業の重要な競争力の一つは「独自の文化」
などは、バフェットが常々強く主張していることであり、またドラッカーが述べる
6) 予期せぬ成功こそ重要である
ということも、極めて論理的に説明しています。
ビジネス・経営の「本質」について語る<超良書>です。
<文責:大原浩>
参考書籍等紹介
ドイツの(失敗に)学べ!
ドイツの(失敗に)学べ! 川口マーン恵美 WAC 世界で「人権・環境全体主義」が猛威を振るっている。要するに、人権や環境を錦の御旗に、独善的なイデオロギーと強圧的な政治で、国民の自由な活動を抑圧しようとする勢力で .....
『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』、映画ディア・ファミリー原作
清武英利著、文春文庫 事実を基にした「ノンフィクション」である。 語り口は淡々としている。取り立てて激しい感情表現があるわけでは無い。 だが、登場人物たちの心の奥底から湧き上がってくる感情が、圧倒的な力で迫っ .....
「黄金の馬」 パナマ地峡鉄道 ー大西洋と太平洋を結んだ男たちの物語ー
ファン=ダヴィ・モルガン著、中川 普訳、三冬社 本作品は、子供の頃夢中になって読んだロバート・L. スティーヴンソンの「宝島」を思い起こさせるところがある。子供向けの簡略版であっ .....
確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか
デボラ・J・ベネット白揚社
「杞憂」という言葉があります。 中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から生まれました。心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味しますが、「天が崩れ落ちてくる確率」 .....