参考書籍等紹介

確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか

デボラ・J・ベネット白揚社

 「杞憂」という言葉があります。  中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から生まれました。心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味しますが、「天が崩れ落ちてくる確率」 .....

たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する

レナード・ムロディナウ ダイヤモンド社

 「偶然」にまつわるエピソードを、世の中の幅広い範囲にわたって歴史的に深く洞察した良書です。特に歴史的なエピソードには興味深いものが多く、カルダーノの半生は注目されます。  そもそも、「確率論」や「統計学」は、古代ギリシ .....

『アメリカ経済 成長の終焉(上・下)』

『アメリカ経済 成長の終焉(上・下)』 ロバート・J・ゴードン著,高遠裕子・山岡由美訳 ロバート・ゴードン教授(米国ノースウェスタン大学)といえば、米国のマクロ経済学者であり、生産性問題研究の大家である。本著は、ゴードン .....

名画で味わうギリシャ神話の世界

有地京子大修館書店

ダイナミックな愛憎の芸術を語る 有地京子氏は名画解説者であるが、「表意文字」ならぬ「表意絵画」の専門家でもある。例えばアルファベット26文字それぞれは単なる記号にしか過ぎないが、その多彩な組み合わせによって、驚くほど深い .....

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

マーク・ブキャナン 草思社

<世間は狭い>   街角でばったり知人に会った時などに、「It’s a small world!」(世間は狭いね)と言います。この「街角で知人にばったり現象」は、「確率論」の観点から考えれば実はそれ .....

歴史の方程式 科学は大事件を予知できるか

マーク・ブキャナン 早川書房

マーク・ブキャナンは、この本の出版後「複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線」という本も書いていますが、こちらのほうがより「本質」に鋭く迫った内容です。   タイトルでは「歴史」となっていますが、物理 .....

人口論

トマス・ロバート・マルサス 光文社古典文庫

      現代の経済は食糧(農業)に制約されるのか? トマス・ロバート・マルサスによって1798年に匿名の小冊子で発刊された本書が、人口の増減と世の中の繁栄(人々の幸福度)の相関関係に関し .....

資本主義と自由

ミルトン・フリードマン日経BP社

  <自由こそ資本主義の源流>   1962年にそれ以前の講義内容を基に出版された本ですが、60年近く昔の内容であるにも関わらず、現代我々が直面している諸問題に関して鋭く切り込み、かつ明確な解答を与えている名著 .....

大収縮 1929-1933 「米国金融史」第7章

ミルトン・フリードマン日経BP社

  米国の金融に関する歴史を詳細に論じた「米国金融史」の中で、いわゆる「大恐慌」に関する部分をピックアップした書籍です。   今からは考えられないことですが、この時期にFRBが行った「金融引き締め」的 .....

武士道

新渡戸稲造ちくま新書

  本書において、武士道と騎士道が比較されているが、確かになるほどと思う部分がある。   特に、両者とも封建制度における「御恩と奉公」という一種の「社会契約」(文書によらない社会慣習法)に基づいて成立 .....

量子コンピュータ 超並列計算のからくり

竹内繁樹 講談社ブルーバックス

 コンピュータの歴史 マスコミが騒ぐ先端技術のほとんどは眉唾ものである。常温超電導、常温核融合、空飛ぶ自動車、AIなど・・・詳しくは現代ビジネス2018年8月27日の記事「騙されるな、空前の電気自動車(EV)ブームは空振 .....

とことんやさしい宇宙線と素粒子の本

山崎耕造日刊工業新聞社

キリスト教は「終末論」で信者を増やしてきた宗教であり、初期の終末論として有名な「ヨハネの黙示録」(執筆年代はローマ皇帝ドミティアヌスの治世(西暦81年~96年)の末期といわれる)は、遠い未来の話では無く、当時キリスト教を .....

とことんやさしい燃料電池の本 第2版

森田敬愛 日刊工業新聞社

 地球温暖化騒動という愚行 私は、「地球温暖化騒動」は、ほとんど根拠が無いものと考えている。   もちろん、古代から地球の気温は、何回もの氷河期を挟んで、激しい変動を繰り返しているから、地球の気温が変化しないと .....

銃・病原菌・鉄(下) 1万3000年にわたる人類史の謎

ジャレド・ダイアモンド草思社

「愛と思いやりの社会」と「恐怖と暴力で支配される社会」 本書は<銃・病原菌・鉄>を主題とした文明論であるが、人類の「コミュニケーション」について述べた本とも言える。   「銃による殺し合い」、「病原菌による感染 .....

二宮尊徳 財の命は徳を生かすにあり

小林惟司ミネルヴァ書房

真の革命家・尊徳 二宮尊徳(金次郎)は歴史に名を残す有名人だが、その功績・人柄が誤って伝えられている典型であろう。   戦前の修身の教科書に、明治天皇の次に多く取り上げられていることから、軍国主義教育と結び付け .....

生物化するコンピュータ

デニス・シャシャ&キャシー・ラゼール 講談社

デジタルは原始的である 「生物化するコンピュータ」という言葉の持つ意味は大きい。人類の文明において「デジタル」が表舞台に登場してきたのは、ここ半世紀ほどのことである。それまでは、すべて基本的にはアナログであった。 &nb .....

選択の科学 コロンビア大学 ビジネススクール 特別講義

シーナ・アイエンガー 文芸春秋

見合い結婚か恋愛結婚か 現在の日本では、「取り決め婚」=見合い結婚は極めて少数派であり、自由恋愛による結婚が当然視されている。   しかし、日本でも少なくとも戦前までは見合い結婚が普通であり、本人の意志とは無関 .....

とことんやさしい電気の本(第2版)

山崎耕造日刊工業新聞社

    宇宙を支配する四つの力とエネルギー      宇宙に存在する力は四つに分類される。 強い力 弱い力 重力 電磁気力 である、   いわゆるビッグ・バンの時点ではこの四つの力はまだ分離 .....

サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

ジリアン・テット文芸春秋

タコツボ・シンドローム サイロ・エフェクトというのは日本人にとってはいイメージしにくい言葉だと思うので、「負の側面」を強調した「タコツボ・シンドローム」という私の造語に置き換えて話をする。   例えば、村人が5 .....

銃・病原菌・鉄(上) 1万3000年にわたる人類史の謎

ジャレット・ダイヤモンド草思社

古代、チグリス・ユーフラテス川の流域で文明が興ったのは偶然か?必然か?あるいは、大航海時代以降、欧米が繁栄し、アジアやアフリカなどの人々を植民地化し蹂躙したのは偶然か?必然か?   本書では、欧米人が現在の世界 .....