教育ビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本

川上清市秀和システム

 

新聞などで報道される教育業界の現状をそれなりに要領よくまとめています。ただ、特別な視点や展望はありません。

明治時代(寺子屋)からあまり進化していなかった教育分野でも、ネット・ITが浸透しつつあり、大変革が起きつつあるのをひしひしと感じます。

ECが急速に浸透したことで、(特に米国の)小売業界<実店舗>は大きな打撃を受けていますが、教育業界でも、ネット授業が浸透すれば、小売店に相当する学校・塾・予備校の存在意義が問われます。

ただ、一方で意外だったのは、「そろばん教室」や「書道教室」がいまだにそれなりの売り上げを維持していることです。私も小学校のときに両方通わされた記憶がありますが、両親の目的は、落ち着きが無い私を「矯正」することにあったようです・・・

現在民間ビジネスとしての教育産業は2兆円ほどしかありませんが、いわゆる公教育の非効率な部分が民営化されれば、発展の余地はまだまだあると思います。

 

<文責:大原浩>

 

 

参考書籍等紹介

確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか

デボラ・J・ベネット白揚社

 「杞憂」という言葉があります。  中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から生まれました。心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味しますが、「天が崩れ落ちてくる確率」 .....

たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する

レナード・ムロディナウ ダイヤモンド社

 「偶然」にまつわるエピソードを、世の中の幅広い範囲にわたって歴史的に深く洞察した良書です。特に歴史的なエピソードには興味深いものが多く、カルダーノの半生は注目されます。  そもそも、「確率論」や「統計学」は、古代ギリシ .....

『アメリカ経済 成長の終焉(上・下)』

『アメリカ経済 成長の終焉(上・下)』 ロバート・J・ゴードン著,高遠裕子・山岡由美訳 ロバート・ゴードン教授(米国ノースウェスタン大学)といえば、米国のマクロ経済学者であり、生産性問題研究の大家である。本著は、ゴードン .....

名画で味わうギリシャ神話の世界

有地京子大修館書店

ダイナミックな愛憎の芸術を語る 有地京子氏は名画解説者であるが、「表意文字」ならぬ「表意絵画」の専門家でもある。例えばアルファベット26文字それぞれは単なる記号にしか過ぎないが、その多彩な組み合わせによって、驚くほど深い .....