誰がどんな理由で「安倍氏と宗教の関係がテロの原因」と言っているのか
これまで安倍元首相がテロを誘発しかねない発言をしていた人たちは、それがテロの原因でないというのに、必死である。
小沢一郎氏などは、長期政権が原因とかいい出して、泉代表から注意を受けることになった。7年間など国際的にみたら長期政権のうちに入らない。米国大統領でも2期8年が普通だ。
そうした場合に、考えられるのは、神社庁、統一教会、公明党だろうが、それらと安倍氏の関係が多くの政治家の中で特別だといえるものではない。小選挙区制のもとでは、自民党候補を支持する多くの団体とそれなりの友好関係をもつのは当たり前だ。
神社庁という日本最大の信徒を持つ宗教団体(傘下の神社の氏子を合計しただけだが)と政治家が関係を持つのは当たり前のことだ。それと密接な関係がある日本会議がある種、強力な団体であることは事実だが、日本会議が自民党や安倍氏を牛耳っているとはいえない。
おまけに、初代会長の塚本幸一氏(ワコール)など、戦争のときに迷惑を掛けたということで日中友好に尽くした人だった。
統一教会の創始者は東西冷戦下でそれなりの役割を果たし、それと岸信介や安倍晋太郎が親しかったとしても当時は当然のことだったし、ニクソン大統領やゴルバチョフ大統領にも招かれ国連総会でまで演説していたくらいだ。安倍晋三氏が多くの宗教団体の一つとしてその関連事業に関連を持っていたとしても特別の関係とはいえないし、世界の多くの政治家が普通に関与している。
祖父、父と三代続きの深い絆とかいう人もいるが、一般論として安倍晋三氏は父親から引き継いださまざまな関係にそれほど執着していたわけでない。むしろ冷たいと言われることも多かったのを私も知っている。
創価学会と安倍氏のつながりも連立政権のパートナーとして当たり前のことだ。
いずれも、安倍叩き、反アベ無罪のムードを進める中で一部のメディアなどが、宗教団体が安倍氏を牛耳っているがごとく針小棒大にあおり立てていたのである。
そもそも、安倍総理の業績については退任時に海外からの絶賛などを背景にいわゆるリベラル系マスコミも批判が難しく、せいぜい是々非々の記事しか書けなかったし、世論調査では、その肯定的評価が70%ほどになるなど高評価は確立したものだった。
それでは困ると、一部の人たちがモリカケ・サクラという業績と無関係な些事での攻撃を続け、憎悪を駆り立てることで影響力の軽減を試みてきた
そのなかにはさまざまな宗教と怪しげな関係があるというデマの流布もあった。政治家は、自分が信心してなくてもさまざまな宗教と交流があるのが普通である。
それらは政治的意図でばら撒かれた謀略であり、その結果、生じたテロを政治とは関係ないというのは牽強付会ではないか。
また、小沢一郎氏がいうように長期政権がテロの原因とかいうなら地方自治の世界では、はるかにひどい長期政権が当たり前だ。私の住む京都でも、京都府政では中央官僚による支配が44年、市役所では市職員出身の市長が田邊市長という医師出身のひとりを挟んでだが、半世紀以上続いている。小沢一郎流にいえば、どうなるのだろうか。
それから、余談だが、「聴衆の多くがマスクをしていて顔が見えづらく、不審者の判断が付きにくいことが影響したかもしれない」との指摘がある。ヒステリックで過度のマスク着用は治安維持の上で危険だと私は指摘してきたがその危惧が当たった。
イスラム教徒の服装も同じ観点で危険とされている。屋外でのマスク着用はむしろ禁止するべきだ。ワクチンは必要に応じて準義務化すべきだ。ワクチンさえすれば出入国も含めてできるだけ自由にという立場で一貫している。
(八幡和郎)
★本レポートはアゴラ(https://agora-web.jp/)から転載させていただきました。
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