ブラック・スワン(上)(下)

ナシ―ム・ニコラス・タレブダイヤモンド社

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスの愛読書であり、幹部たちにも読ませているということで読んでみましたが、期待をはるかに上回る内容でした! ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなどの「俗物」の「ゲスの極みおっさん」と違って、ジェ .....

創業者・石橋正二郎 ブリヂストン経営の原点

小島直記新潮文庫

昭和53年9月にブリヂストン㈱から「私家版」として発行されたものに加筆して昭和61年4月に発行されました。そのためもあってか、「社史」的な色彩が強い内容ですが、自己顕示とかお飾りとは無縁で、「社史」であることが、かえって .....

ビッグデータと人工知能  可能性と罠を見極める

西垣 通中公新書

    AI(人工知能)と言えば今大ブームで、近い将来ホワイトカラーの仕事の多くがAIにとって替わられるなどということが、まことしやかに語られます。 しかし、<人工知能>ではなく、<人造人間>はどうで .....

運は数学に任せなさい 確率・統計に学ぶ処世術

ジェフリー・S・ローゼンタール早川書房

  「確率」の理論の多くは、人間の直感に反するものです。例えば、多くの数学者でさえ、その直感に騙され、理論を提唱した学者を感情的に猛攻撃した事例に次のようなものがあります。 A,B,Cの三つの箱があり、どれかに .....

トコトンやさしい下水道の本

高堂彰二日刊工業新聞社

ベルサイユ宮殿にトイレが無かったというのは有名な話ですが、どうやら王侯貴族用のおまるなどは準備されていたようです。ただ、使用人はもちろんのこと、訪問客用のトイレは無かったようで、おまるを持参するか階段の裏などの物陰で用を .....

毒と薬 大人のための図鑑

鈴木勉 監修新星出版社

  米国のあるテレビドラマ(確か「メンタリスト」だったような・・・)で「歯磨き粉をチューブ2本飲ませて殺す」という話がありました。その話の中では、致死量はチューブ一本ですが、念のため2本飲ませたという設定です。 .....

ドラッカー 20世紀を生きて 私の履歴書

ピーター・ドラッカー日本経済新聞社

  日本経済新聞の「私の履歴書」で27回にわたって連載された内容を本にまとめたものです。ドラッカーの著作の中には「傍観者の時代」という自伝的要素が強いものがあるのですが、その本と重複する部分がかなりあります。も .....

小倉昌男 経営学

小倉昌男日経BP社

ヤマト運輸創業者の小倉昌男氏は多くの日本人が知る超有名人ですが、本人が書いた文章はそれほど多くはありません。その中で、経営について語った極めて重要な資料です。 まず、小倉氏の経営論の根幹をなすのは「終身雇用の実力主義」で .....

倒れ行く巨像 IBMはなぜ凋落したのか

ロバート・クリンジリー祥伝社

  ウォーレン・バフェットが保有するIBMの株式の3割を売却したと報道されてから、IBM関連の資料を色々と読み直しています。本書でも触れられているように、市場でのIBMへの信頼は「ウォーレン・バフェットが大量に .....

物流ビジネス最前線 ネット通販、宅配便、ラストマイルの攻防

斎藤実光文社新書

物流業界の現状をわかりやすくコンパクトにまとめています。また、米国の流通(宅配)業界と対比した内容も非常に良いと思います。 チャイナの宅配サービスが低レベルであることは予想できましたが、米国の宅配便サービスもかなり雑です .....

単身急増社会の希望

藤森克彦日本経済新聞社

  タイトルに「希望」とあるように、テーマは主に高齢化・未婚化による<単身者急増社会>についてです。 少子高齢化全般については、過去「産業新潮」などのレポートでも執筆したように、世間が心配するほどの問題は発生し .....

イノベーションと起業家精神(ドラッカー名言集5)

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

  この本は、確か4回〜5回ほど読んでいると思います。同じ本を読んでも、その都度自分自身が成長するおかげで、新たな内容を学ぶことができる(特に名著)というわけです。 ドラッカーは、「マネジメント」を最初に体系づ .....

IoTを支える技術(あらゆるモノをつなぐ半導体の仕組み)

菊池正典サイエンス・アイ新書

AIやIoTなどと色々騒がれますが、AIを人間の脳に例えるとすれば、「もの」につながるセンサー部分は、人間の感覚器官に相当します。 そもそも、現在巷でAIと呼ばれているものは基本的に「エキスパートシステム」です。人間の脳 .....

脳はいかにして意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る

ゲオルク・ノルトフ白楊社

「心」は目で見ることができませんが、本当のところ存在するのでしょうか?それは「神は存在するのか?」というのと同じくらい議論を呼ぶテーマです。 本書では基本的に「心は存在しない」という立場をとっていますが、それでは今この文 .....

明日を支配するもの 21世紀のビジネスマネジメント

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

改めて読んでみて、この本が20年前にすでに執筆されていたことに大いに驚かされます。 ドラッカーは「未来は予言できない」と繰り返し指摘しますが、「すでに起こった未来」を見つけ出すことによって、20年前に現在の起こりうる状況 .....

テクノロジストの条件 ものづくりが文明をつくる

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

7000年前に誕生した「灌漑文明」から話は始まります。確かに、灌漑文明よって都市が形成され、現代においても文明が都市に基盤を置いている(それどころか益々集中度が高まっている)のは疑いようのない事実ですから、「灌漑」こそが .....

神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流

杉晴夫講談社ブルーバックス

  「脳」の勉強をするのであれば、脳に信号を送り、脳からの信号を伝える神経系の勉強は欠かせないと思い読んでみました。 前半部分は、私が苦手とする電気回路や化学反応の話にあふれていて、かなり苦戦しました。ただ、神 .....

世界は感情で動く 行動経済学からみる脳のトラップ

マッテオ・モッテルリー二紀伊圀屋書店

経済学では、人間は合理的存在とされ、「選択肢の中から必ず自分にとって(金銭的に)得になるものを探す」のが当たり前とされます。しかし、人間とはそのような機械的な存在ではなく、「感情」で動くため経済学が現実の世界では全く役に .....

ネクスト・ソサエティ

P. F. ドラッカーダイヤモンド社

日本語版の発刊が2002年ですから、ドラッカーが執筆したのは15年から20年ほど前になります。本書は、その時点でドラッカーが把握した「すでに起こった未来」について記述した内容です。 今回改めて読み直してみて、ドラッカーの .....

繁栄 明日を切り開くための人類10万年史(下)

マット・リドレー早川書房

上巻に続いて非常に充実した内容です。特におすすめなの、が第10章<現代の悲観主義―2010年以降のアフリカと気候>です。 キリスト教はもちろんのこと、「人類滅亡」は宗教だけではなくあらゆる分野で有史以来大変人気のあるテー .....