チェンジ・リーダーの条件 みずから変化をつくりだせ!(はじめて読むドラッカー マネジメント編)

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

 

副題にもあるように、ドラッカーの膨大な著作の中から、マネジメントに関する論文を抜粋しまとめたものです。確かに、初心者向けに良くまとまってはいると思いますが、その分ドラッカー独自のメッセージは弱まっているように思えます。

ドラッカーを本格的に勉強したい方は、最初からオリジナルの書籍を読むことをお勧めします。むしろ、それらを読破した後、改めて本章のような抜粋本を読むと、頭の整理にちょうど良いのではないでしょうか?

本書では<報告と手続きに支配されるな>という言葉が印象でした。<報告と手続き>は、<目的>を達成するためにあるはずですが、<報告と手続き>が神聖化されてしまい、「犯さざれるもの」として、何の目的も無く続けられるのは企業組織などでよくみられることです。

また、巻末の <付章:イノベーションか、廃業かー金融サービスの末路>は非常に洞察にとんだ内容です。本書の初版は2000年に発刊されていますが、「今日の金融サービス業に残されている成長分野は一つしかない。日本市場である」という言葉は今でも有効です。

長い間「護送船団」で守られてきた既存の銀行、証券はバブル崩壊以来元気がありませんが、銀行や証券以外の金融業、例えばオリックス、Eギャランティ、クレディ・セゾンなどは、今後の日本経済の成長を牽引していく重要な企業になると思います。

詳しくは、私の著書(GINZAX30社など)をご高覧いただきたいのですが、日本という国家に対する信頼性は金融ビジネスにとって強い追い風ですし、役所のがんじがらめの規制を受けないいわゆる「ノンバンク」が数々のイノベーションを行い発展することは、ほぼ確実に思えます。

<文責:大原浩>

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