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スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナ―ダイヤモンド社

私のこれまで読んだ、「二人のスティーヴン」の著書の中では、最高です。

私もフリークなので、野球やサッカーなどの一般的スポーツには全く興味が無く、せいぜい自転車競走(ツールド・フランス)を観るくらいです。しかし、私も彼らもスポーツの一種と定義する<大食い選手権>は、いつも手に汗握って観ています。特に、大食いアイドル「もえのあずき」のファンですが、彼女は本当にスーパーウーマンですね!

さて、本書では、世界を騒がしたホットドッグ大食いチャンピオン<小林尊>氏のエピソードが出てきます。彼の活躍ぶりは多くの人が知るところですが、彼がどのようにトレーニングして強くなったかについての二人による分析はまさに「アハッ」という感じです・・・

また、日本で有名な<モンド賞>のような<優秀レストラン賞>のカラクリや、<高いワインは本当に安いワインよりもおいしいのか>についての、彼らの研究も素晴らしいものです。

根底には「人間が何のために行動するのか」という深い洞察があります。ミステリーではありませんが、「人間の動機」=インセンティブこそが、経済やビジネスの本質を解き明かすのにきわめて重要であるという点には同感します。

<文責:大原浩>

 

参考書籍等紹介

『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』、映画ディア・ファミリー原作

    清武英利著、文春文庫   事実を基にした「ノンフィクション」である。 語り口は淡々としている。取り立てて激しい感情表現があるわけでは無い。 だが、登場人物たちの心の奥底から湧き上がってくる感情が、圧倒的な力で迫っ .....

「黄金の馬」 パナマ地峡鉄道 ー大西洋と太平洋を結んだ男たちの物語ー

      ファン=ダヴィ・モルガン著、中川 普訳、三冬社 本作品は、子供の頃夢中になって読んだロバート・L. スティーヴンソンの「宝島」を思い起こさせるところがある。子供向けの簡略版であっ .....

確率とデタラメの世界 偶然の数学はどのように進化したか

デボラ・J・ベネット白揚社

 「杞憂」という言葉があります。  中国古代の杞の人が天が崩れ落ちてきはしないかと心配したという、「列子」天瑞の故事から生まれました。心配する必要のないことをあれこれ心配することを意味しますが、「天が崩れ落ちてくる確率」 .....

たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する

レナード・ムロディナウ ダイヤモンド社

 「偶然」にまつわるエピソードを、世の中の幅広い範囲にわたって歴史的に深く洞察した良書です。特に歴史的なエピソードには興味深いものが多く、カルダーノの半生は注目されます。  そもそも、「確率論」や「統計学」は、古代ギリシ .....