参考書籍等紹介

ドラッカー 20世紀を生きて 私の履歴書

ピーター・ドラッカー日本経済新聞社

  日本経済新聞の「私の履歴書」で27回にわたって連載された内容を本にまとめたものです。ドラッカーの著作の中には「傍観者の時代」という自伝的要素が強いものがあるのですが、その本と重複する部分がかなりあります。も .....

小倉昌男 経営学

小倉昌男日経BP社

ヤマト運輸創業者の小倉昌男氏は多くの日本人が知る超有名人ですが、本人が書いた文章はそれほど多くはありません。その中で、経営について語った極めて重要な資料です。 まず、小倉氏の経営論の根幹をなすのは「終身雇用の実力主義」で .....

倒れ行く巨像 IBMはなぜ凋落したのか

ロバート・クリンジリー祥伝社

  ウォーレン・バフェットが保有するIBMの株式の3割を売却したと報道されてから、IBM関連の資料を色々と読み直しています。本書でも触れられているように、市場でのIBMへの信頼は「ウォーレン・バフェットが大量に .....

物流ビジネス最前線 ネット通販、宅配便、ラストマイルの攻防

斎藤実光文社新書

物流業界の現状をわかりやすくコンパクトにまとめています。また、米国の流通(宅配)業界と対比した内容も非常に良いと思います。 チャイナの宅配サービスが低レベルであることは予想できましたが、米国の宅配便サービスもかなり雑です .....

単身急増社会の希望

藤森克彦日本経済新聞社

  タイトルに「希望」とあるように、テーマは主に高齢化・未婚化による<単身者急増社会>についてです。 少子高齢化全般については、過去「産業新潮」などのレポートでも執筆したように、世間が心配するほどの問題は発生し .....

イノベーションと起業家精神(ドラッカー名言集5)

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

  この本は、確か4回〜5回ほど読んでいると思います。同じ本を読んでも、その都度自分自身が成長するおかげで、新たな内容を学ぶことができる(特に名著)というわけです。 ドラッカーは、「マネジメント」を最初に体系づ .....

IoTを支える技術(あらゆるモノをつなぐ半導体の仕組み)

菊池正典サイエンス・アイ新書

AIやIoTなどと色々騒がれますが、AIを人間の脳に例えるとすれば、「もの」につながるセンサー部分は、人間の感覚器官に相当します。 そもそも、現在巷でAIと呼ばれているものは基本的に「エキスパートシステム」です。人間の脳 .....

脳はいかにして意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る

ゲオルク・ノルトフ白楊社

「心」は目で見ることができませんが、本当のところ存在するのでしょうか?それは「神は存在するのか?」というのと同じくらい議論を呼ぶテーマです。 本書では基本的に「心は存在しない」という立場をとっていますが、それでは今この文 .....

明日を支配するもの 21世紀のビジネスマネジメント

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

改めて読んでみて、この本が20年前にすでに執筆されていたことに大いに驚かされます。 ドラッカーは「未来は予言できない」と繰り返し指摘しますが、「すでに起こった未来」を見つけ出すことによって、20年前に現在の起こりうる状況 .....

テクノロジストの条件 ものづくりが文明をつくる

P.F.ドラッカーダイヤモンド社

7000年前に誕生した「灌漑文明」から話は始まります。確かに、灌漑文明よって都市が形成され、現代においても文明が都市に基盤を置いている(それどころか益々集中度が高まっている)のは疑いようのない事実ですから、「灌漑」こそが .....

神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流

杉晴夫講談社ブルーバックス

  「脳」の勉強をするのであれば、脳に信号を送り、脳からの信号を伝える神経系の勉強は欠かせないと思い読んでみました。 前半部分は、私が苦手とする電気回路や化学反応の話にあふれていて、かなり苦戦しました。ただ、神 .....

世界は感情で動く 行動経済学からみる脳のトラップ

マッテオ・モッテルリー二紀伊圀屋書店

経済学では、人間は合理的存在とされ、「選択肢の中から必ず自分にとって(金銭的に)得になるものを探す」のが当たり前とされます。しかし、人間とはそのような機械的な存在ではなく、「感情」で動くため経済学が現実の世界では全く役に .....

ネクスト・ソサエティ

P. F. ドラッカーダイヤモンド社

日本語版の発刊が2002年ですから、ドラッカーが執筆したのは15年から20年ほど前になります。本書は、その時点でドラッカーが把握した「すでに起こった未来」について記述した内容です。 今回改めて読み直してみて、ドラッカーの .....

繁栄 明日を切り開くための人類10万年史(下)

マット・リドレー早川書房

上巻に続いて非常に充実した内容です。特におすすめなの、が第10章<現代の悲観主義―2010年以降のアフリカと気候>です。 キリスト教はもちろんのこと、「人類滅亡」は宗教だけではなくあらゆる分野で有史以来大変人気のあるテー .....

繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史(上)

マット・リドレー 早川書房

人類10万年の歴史を「交換」の観点から論じた本です。 本書によれば、人間以外の動物が物々交換するのはとても珍しいことです。例えば、家族の間での分かち合いや、食べ物と交換の交尾(売春)は昆虫も含めた多くの生物で見られます。 .....

イマココ 渡り鳥からグーグル・アースまで 空間認知の科学

コリン・エラード早川書房

「空間認知」について、生物や有史以前の人間、さらにはサイバースペースまで幅広く論じた本です。前半から中盤にかけての学術的内容は非常に興味深い内容ですが、終盤にかけての現代社規との関連について論じた部分は極端につまらなくな .....

ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるのか?(下)

ダニエル・カーネマン早川書房

下巻においてもカーネマンの鋭い洞察と、非常にわかりやすい解説に変化はありません。 上巻は、システム1とシステム2による人間の脳活動の分析が中心でしたが、下巻は「フレーミング」、「利用可能性バイアス」など、人間の判断の誤り .....

ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるのか?(上)

ダニエル・カーネマン 早川書房

心理学者でありながらノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが、一般向けに行動経済学の基礎を解説した非常に読みやすい本です。表題の通り「システム1=ファスト=直感」と「システム2=スロー=思考」が中心となって展開し .....

不合理だからすべてがうまくいく

ダン・アリエリー早川書房

「予想通りに不合理」と同様、「著者の壮絶な体験」も含めた身近な出来事を中心に取り上げつつ、「行動経済学」のエッセンスを伝えてくれる本です。 学問の本というよりは「自己啓発」的要素を含めた本ともいえます。 例えば、<復讐> .....

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ダン・アリエリー 早川書房

まず最初に申し上げます。 私は「これまで嘘をついたことが無い」と言い切るほどの嘘つきではありません。 私は、善人と悪人の中間で、たぶん悪人に近い方の人間だと思います。 さて、本書は人間の嘘や欺瞞に関する研究にあふれていて .....